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京都 赤垣屋 で呑む

 

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知らない人がこの赤いネオンだけを見たら、

まさかこれが京都を代表する老舗居酒屋の1つとは誰も思わないのではないだろうか。

 

 

でも、この繁華街から少し離れた川端二条の『赤垣屋』の創業は昭和9年。

戦後に再開されて現在に至る歴史ある老舗だ。

 

 

 

この日、ボクは翌日の仕事の為に前乗りで京都に着いたのが18時頃。

予約していた京都駅からほど近いホテルにまずはチェックイン。

 

どうせこの後は酒を呑みに出掛けて帰って来て眠るだけだからどこでも良いとも思う。

ただほんの束の間でもそこで過ごすなら気持ち良く居られる方が良いに決まっている。

 

この日はたまたまツインのシングルユースでそこそこ広い部屋。

天然温泉大浴場があり、夜鳴きそばを出すこのホテルは他でもあちこち利用している。

 

 

 

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さて、この日は今年になって初めて1人で呑むことが出来る日となった。

部屋に入り荷物を置く。これから行く場所を確かめると早々とホテルを後にする。

 

塩小路通から高倉通七条通を歩く。鴨川を渡る。やがて七条駅

京阪本線に乗って10分も経たないうちに三条駅に到着する。

 

地下から地上へ。鴨川沿いを少し歩いていく。意外に暗い通りに人はあまり居ない。

しばらく歩き続けるとやがて赤いネオンと提灯が暗闇に浮かんでいるのが見えてくる。

 

 

 

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この店のカウンターは予約が出来ない。空いていない可能性だってある。

初めての京都での1人呑み。少しばかり緊張もする。暖簾の前に立つが中は静かだ。

 

敢えてなのか、長い年月でそうなったのか、暖簾の真中あたりの縄が短くなっている。

その年季の入った暖簾をくぐる。さっと木の戸を開ける。

 

 

 

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中に入る。左には飴色のL字型のカウンター。右は畳敷きの座敷で木の卓袱台。

運が良い。カウンターが空いている。おでんの長方形の舟の前に通される。

 

見渡すと年季の入った店内は古いながらも手入れが行き届いている。

裸電球の照明だけなので案外暗い。でもそれが落ち着く。

 

カウンターの向こう側の背後には大きな鏡が2枚。そこに呑んでいる客の姿が映る。

自分の呑む姿を見てその佇まいを確認しながらキレイに呑みなさいということか。

 

70歳近いだろうか、店主が包丁を握りながらも常に気配りをしている。

他の店員はみな若い。従業員は男だけ。活気があってとても気持ちが良い。

 

この雰囲気だけでもこの場所に居る意味がある。

まさに居心地が良い空間。

 

 

 

まずはビールを注文。クラシックラガーとお通しが出される。

きゅうりとじゃがいもの和え物だったか。普通に普通のものが美味しいのは嬉しい。

 

 

 

 

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経木のメニューを眺める。『しめさば』を頼む。それは関東で出されるものとは違う。

甘酢仕立てで茗荷や生姜などの薬味。さほど〆ていないさば。

 

 

 

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浅草の『志婦や』のもこんなだった。甘酢はあまり好みではない。

ただ酒は進む。進むうちに自然に旨さが増してくる。クセになりそうな感じだ。

 

ビールはあっと言う間に呑み干される。次は伏見の地酒『伏見の名誉冠』の樽酒。

大きな樽がおでんの舟の後ろに置かれていて、そこから酒を注いでいく。

 

この伏見の蔵は今はもう無い。今は『神聖』の『北川本家』が造っている酒だ。

枡の香りが旨さを増してくれる。塩を頼もうかと思ったがしめさばで充分。

 

枡には『忘られぬ酒』という文字が刻印されている。

確かにこれは忘れられない酒になりそうだ。おもわず二ヤリ。

 

 

 

 

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続いて『万願寺青とう』を頼む。

『ご主人万願寺一丁!』『万願寺一丁ありがとうございます!』

 

 

 

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注文をする度に、目の前の若いお燗番と大将と従業員の間で品の名を繰り返す。

それがまた良い。これもこの店の雰囲気をつくるのに一役買っている。ピシっとなる。

 

そろそろ目の前でその船出を待っている『おでん』を注文。『大根・豆腐・たこ』。

京都らしく上品な薄味。だが深みも感じられる。これがなかなか美味しい。

 

 

 

 

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燗酒を頼むと、おでんの舟の上にお銚子を持って来る。

そこに酒を注ぐ。わざとであろう、少しばかり酒が舟の中に零れ落ちていく。

 

これが美味しさを増しているのかもしれない。

この酒を注ぐ一連のルーティンが1つのパフォーマンスのようだった。

 

お酒はその燗に替える。燗された分だけ優しい味になっている。どちらも旨い。

ぬる燗におでんの組み合わせ。こういうのを幸せなひと時という。

 

 

 

 

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やがて開店の頃にやってきた面々が店を後にし出し、新たな客が入って来る。

若い男女4人。カウンターがちょうど空いた。ボクは1つ席を移り彼らも無事着席。

 

ボクもそろそろ出よう。その前に最後に『うなぎの白焼き』を注文。

白焼きというと仙台『一心』の穴子も美味しかったが、このうなぎは更に旨い。

 

 

 

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先程席を1つ移っただけなのに、大将がお詫びにといかを使った料理を出してくれる。

さりげない気遣いが嬉しい。その分、もう1杯となってしまうのだけどそれはそれで。

 

 

 

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思ったより長居した。そろそろお勘定。

大将が注文した品を大きな声で確認しながら計算をしていく。それも気持ち良い。

 

次はいったいいつになったらここのまた来られるだろうか。

こんな店が近所にあったらと思うが、そんな店ばかりあったらあったでまた大変だ。

 

そんなことを考えながら店を出る。

真っ直ぐホテルまでと思ったが、折角の夜。もう少し行きますか。

 

 

 

 (2016年1月第2週訪問)

 

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行ったお店の情報

 

赤垣屋居酒屋 / 京都市役所前駅三条駅三条京阪駅
夜総合点★★★★ 4.5